水甕の空
水甕の空ひびきあふ夏つばめものにつかざるこゑごゑやさし
山中智恵子『紡錘』
空は水甕。青空も水をたたえているような青。
ものにつかざる、が魅力、無心に、という感じがいじらしい。
毎日、暑い、ですね。
つばめは、今頃水辺に集まって、旅支度をはじめているころ。
五年ほど前に秋吉台近くの水辺で、みたつばめを思いだします。
小学生の頃家族旅行で行ったのが懐かしくて、再びゆきました。つまりセンチメンタルジャーニーのような。
今年、旅行は控えてますが、つばめは、予定通り、本能に従って、
水甕の空を飛びまわり、水甕の中で鳴くように、音が反響してあたりを覆う
『尾崎まゆみ歌集』現代短歌文庫
のなかに、歌集は、『微熱海域』『真珠鎖骨』全編。
歌論は、山中智恵子ノートと、葛原妙子ノートを入れています。
私の魂匣となっています。