水甕の空

 

水甕の空ひびきあふ夏つばめものにつかざるこゑごゑやさし 
山中智恵子『紡錘』

 

空は水甕。青空も水をたたえているような青。

ものにつかざる、が魅力、無心に、という感じがいじらしい。

 

毎日、暑い、ですね。

つばめは、今頃水辺に集まって、旅支度をはじめているころ。

五年ほど前に秋吉台近くの水辺で、みたつばめを思いだします。

小学生の頃家族旅行で行ったのが懐かしくて、再びゆきました。つまりセンチメンタルジャーニーのような。

今年、旅行は控えてますが、つばめは、予定通り、本能に従って、

水甕の空を飛びまわり、水甕の中で鳴くように、音が反響してあたりを覆う

 

『尾崎まゆみ歌集』現代短歌文庫

のなかに、歌集は、『微熱海域』『真珠鎖骨』全編。

歌論は、山中智恵子ノートと、葛原妙子ノートを入れています。

私の魂匣となっています。

f:id:meibin:20200815005235j:imagef:id:meibin:20200815005309j:image